高齢の取引士でも「専任」として認められる?審査のポイント

「定年退職したベテランの宅建士を採用したいけれど、高齢だと審査ではじかれる?」
「資格を持っている70代の父親を『専任の取引士』にして開業できる?」
宅建業免許の要件である「専任の宅地建物取引士(以下、専任の宅建士)」。
人員コストを抑えたり、熟練のノウハウを頼ったりするために、高齢の方を専任に据えたいという相談は非常に多くあります。
結論から申し上げますと、何歳であっても高齢であることを理由に一律で不許可になることはありません。
ただし、若手〜中堅層の申請に比べて、行政から「本当に常勤しているのか(名義貸しではないか)」を厳しくチェックされるのは事実です。
今回は、高齢の取引士を専任にする場合の審査のポイントと、クリアするための対策を解説します。


1. 原則として「年齢制限」は存在しない

宅建業法上、専任の宅建士に年齢の上限はありません。
70代、80代であっても、有効な「宅地建物取引士証」を持っており、要件を満たしていれば専任として登録可能です。
しかし、行政(都道府県の審査窓口)の本音としては、「高齢を理由とした名義貸し」を非常に警戒しています。
そのため、書類の整合性や実態が細かく見られることになります。


2. 行政の審査官がチェックする「3つのポイント」

高齢の取引士を申請する場合、特に以下の3点がフォーカスされます。

① 事務所への「通勤の現実性」

本人の自宅から事務所まで、毎日無理なく通える距離かどうかが重視されます。

  • チェック内容: 片道2時間以上かかるような遠方に住んでいる場合、「本当に毎日通えるのか?」と疑念を持たれます。
    特に高齢の方の場合、満員電車での長距離通勤や、長時間の運転が現実的かどうかが突っ込まれやすいポイントです。

② 「勤務実態」の立証(社会保険や給与)

「名前だけ借りて、実際には自宅で隠居している」という状態を防ぐための確認です。

  • チェック内容: 法人の場合、原則として社会保険(健康保険・厚生年金)への加入を求められます。また、あまりにも低すぎる給与設定(例:月給数万円など)だと、「常勤の正社員としての待遇ではない=名義貸しでは?」と怪しまれます。正当な労働対価を支払っている実績が必要です。

③ 本人の「業務遂行能力」と健康状態

宅建士としての実務(重要事項説明や契約書のチェックなど)を、責任を持って行える状態であるかどうかも重要です。

  • チェック内容: 申請後に、行政の担当者から事務所へ確認の電話が入ることがあります。その際、専任の宅建士本人が電話に出て、スムーズに受け答えができるかどうかが実質的な審査になります。また、実地調査(役所の担当者が事務所に来る審査)の際、本人が不在がちだと説明を求められます。

3. 「名義貸し」と疑われないための事前対策

高齢のベテランを採用してスムーズに開業するためには、以下の準備をしておくのが確実です。

  • 履歴書(略歴書)の整合性を整える: 直近まで別の不動産会社でバリバリ働いていた経歴があれば、高齢であっても「即戦力の常勤」として納得してもらいやすくなります。
  • 雇用契約書を明確に交わす: 勤務時間(事務所の営業時間と一致していること)、休日、給与額などを明記した雇用契約書を作成し、実態を証明できるようにしておきます。
  • 本人の意思確認とシミュレーション: 「専任の取引士」としての重い責任(違反時のペナルティなど)を本人にしっかり理解してもらい、行政からの電話や実地調査の際、自分の言葉で勤務実態を話せるよう打ち合わせをしておきましょう。

まとめ:正攻法の手続きでベテランの力を活かす

豊富な経験を持つシニア層の宅建士は、新設会社にとって非常に心強い味方になります。
年齢を理由に開業を諦める必要は全くありません。
大切なのは、行政側に「うちは名義貸しではなく、本当にこの人に常勤してもらってビジネスをします」という証拠を、書類と写真で堂々と示すことです。
当事務所では、川越市・さいたま市を中心とした埼玉県全域で、シニア層の取引士を雇用した宅建業免許申請を得意としています。
「この年齢でも審査に通るか不安」「名義貸しと言われないための書類の作り方を知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
宅建業免許専門の行政書士
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