「専任の宅地建物取引士」の設置基準。5人に1人のルールを徹底解説

宅建業免許を取得・維持する上で、最も重要と言っても過言ではないのが「専任の宅地建物取引士(以下、専任の取引士)」の存在です。
単に「資格を持っている人がいればいい」というわけではありません。宅建業法では、その人数や働き方について非常に厳格なルールが定められています。
今回は、開業前に必ず押さえておくべき「5人に1人の設置基準」と、審査で厳しくチェックされる「専任性」の正体について徹底解説します。


1. 宅建業法の鉄則「5人に1人」の数え方

宅建業の事務所では、「業務に従事する者」5人につき1人以上の割合で、専任の取引士を設置しなければなりません。
ここで間違いやすいのが、「誰をカウントに含めるか」という点です。

カウントに含める「従業者」の範囲

「自分は事務員だから関係ない」「パートだから数に入らない」という理屈は通用しません。以下の人はすべて「1人」としてカウントされます。

  • 代表者(社長)
  • 役員(専任・兼任問わず)
  • 正社員(営業職だけでなく、受付や事務職も含む)
  • 継続的なパート・アルバイト
  • 専任の取引士本人

【計算例】

  • 従業員が5人の場合:専任の取引士は 1人 必要
  • 従業員が6人の場合:専任の取引士は 2人 必要
  • 従業員が11人の場合:専任の取引士は 3人 必要

もし1人でも不足すれば、それは「要件欠如」となり、免許の申請が通らないばかりか、営業開始後であれば業務停止処分の対象となります。


2. 審査の難所:「専任性」と「常勤性」

「名前だけ借りて、実際には別の仕事をしている」といったケースを防ぐため、行政は以下の2つのポイントを厳しくチェックします。

① 常勤性(いつも事務所にいるか)

専任の取引士は、事務所の営業時間中は常にその事務所に勤務していなければなりません。

  • NG例: 他の会社でフルタイムで働いている。
  • NG例: 住所が事務所から極端に遠く、通勤が現実的ではない。

② 専任性(その仕事に専念しているか)

他の法人の代表者や、他の職業(行政書士、税理士等の士業を除く)を兼務している場合、原則として「専任」とは認められません。
※ただし、同一法人の別部門(例:建設部門と不動産部門)を兼務する場合などは、実態に応じて認められるケースもあります。


3. 代表者が「専任の取引士」を兼ねることはできる?

結論から言うと、可能です。 一人で会社を設立し、代表者自身が宅建士の資格を持っている場合、その人が「代表者 兼 専任の取引士」となることで、最小人数(1人)での開業が可能です。
ただし、代表者が他の会社の役員を兼務している場合は要注意。その「兼務先」での拘束時間次第では、専任性が否定されるリスクがあります。


4. 専任の取引士が辞めてしまったら?

もし専任の取引士が退職し、設置基準(5人に1人)を割り込んでしまった場合、2週間以内に新たな専任の取引士を設置し、変更の届出を行う必要があります。
この2週間を過ぎても補充ができない場合、その事務所での宅建業務は一切行えません。 契約直前で取引士がいなくなると、ビジネスが完全にストップしてしまうため、予備の資格者を確保しておくなどのリスクマネジメントが重要です。


まとめ:要件チェックは慎重に

「5人に1人」という数字は単純に見えますが、実務では「その取引士が本当に専任として認められるか?」という判断でつまずくケースが多々あります。
特に、以下のようなケースは注意が必要です。

  • テレワークがメインの従業員はどう数えるのか?
  • 非常勤役員は人数に含めるべきか?
  • 建設業の管理技術者と兼務できるのか?

当事務所では、埼玉県内(川越市・さいたま市等)の最新の審査基準に基づき、貴社の布陣が「専任の取引士」の要件を満たしているか、事前に診断を行っています。

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行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
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